ABCコンピュータ
 世界初の電子式(真空管を使い機械的でない)計算機と云われている。
アイオワ州立大学で物理学者のアタナソフが自らの研究のため大学院生のベリーを助手に1939年に試作機を作り、1941年に2号機を作った。
写真の右下に見えるのが真空管群で、上のドラムにはメモリー用のコンデンサーが並べられている。コンデンサーの自然放電でデータが消えるのを防ぐため周期的にドラムが回転して再充電されるように工夫されている。これは現在のコンピュータのダイナミックRAMメモリーと同じ仕組みである。
しかし、第2次大戦勃発によりアタナソフは大学を去り、このコンピュータが作られたことすら忘れられた。
再発見は後日、ENIACの開発者エッカートとモークリーが会社を設立しコンピュータの特許権を主張したときで、それと争った相手方企業が過去の資料を調べてこのコンピュータが存在したこと、およびモークリー自身がそれを見学にいっていたことが明らかになり、裁判で特許権は退けられた。この写真はその後の復元機である。

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