ブート・ストラップ・ローダ
 ノイマン型コンピュータではプログラムはメモリーに記憶させて置くのでこのプログラムを代えることで1つのコンピュータで様々の用途に汎用的に利用できる。
ここで一つの問題が生じます。それは最初にプログラムをどのようにしてメモリーに書き込むかという問題です。(地下鉄の電車を最初どうやって入れたのか?)
短いプログラムならスイッチを使って書き込むこともできますが、長大なプログラムでは手間が大変です。面倒なことはすべてコンピュータ自身に任せようと考えるのが自然でしょう。
このプログラムを読み込むための短いプログラムのことをBootStrap Loaderと云います。bootstrapとは編み上げ靴のひも(あるいは長靴の後ろのつまみ皮)のことです。
この名前の由来は以下の昔話にあります。「あるとき旅人がうっかり泥沼の中に足を踏み入れてしまいました。抜け出ようといくらもがいてもぐいぐい沼の中に沈んでいくばかりです。どうしたらよいのでしょう。そのとき旅人はふと足元を見ると、泥の上に自分の靴紐が出ているのに気付きました。そこで彼はそれを両手でしっかり掴み思い切りひっぱり上げました。こうしてやっと旅人は沼から抜け出ることができました。」と言ううそのお話です。
この話から「自分で自分を立ち上げること」をBootstrapといいます。
現在のコンピュータではこのプログラムはROM(Read Only Memory)とよばれる電源を切っても消えないメモリーに焼かれています。現在のパソコンで立ち上げ時の画面をよく観察してください。最初に表示されるのがROMに書かれたプログラムからのメッセージです。そのあとハードディスクからメインのOSプログラムがLoadされ(読み込まれ)ます。

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