マイクロ・プロセッサ
 当時ある会社の電卓工場に見学にいったのですが、工場の説明では、弁当箱に具を詰める弁当屋のようなもので、心臓部のICはアメリカ製ですと話していた。(その後その会社も自前でICを作るようになった。)
 そのアメリカのシリコンバレーで新進のIC企業であったインテル社が日本の電卓メーカ、ビジコン社の嶋正利さんと共同で汎用のICを開発した。
これは単なるICではなくコンピュータのCPU(Central Processing Unit)を1チップ化したような汎用の4ビットのマイクロ・プロセッサー4004であった。
空想の世界の鉄腕アトムでしか使われていなかった夢のマイクロ・コンピュータの出現ともいえよう。これはプログラム可能な制御用ICとしていろいろな装置で使われるようになる。
さらにこれを8ビット化したi8080は十分汎用のコンピュータのCPUとしての処理能力をもつものと認識され、これを使ってマイクロ・コンピュータを作ろうとする人たちが現れてきた。
アメリカではMITS社が開発したAltairと名付けた製作キットが世界最初の8080を使った個人向けのコンピュータであった。写真(by GNU Free Documentation License)のようにBootstrapプログラムを手入力するスイッチと出力表示の発光ダイオードが並んでいて初期の原始的コンピュータを見る思いがして、大変興味深い。

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