つるす重りを含めた総質量を質量とみなすことについて
 教師は台車を加速する力は糸の張力で質量は台車の質量であるから、生徒には難解だろうと勝手に想像してこのやりかたを躊躇するむきが多い。 そんなことは決してありません。
いつも実験の際、生徒達に「重力は単に台車を加速するだけではなく、つるした重りを加速するためにも使われるのだから、重りの質量を含めたものを質量とすべきだ。」と説明すると全員納得します。
これを前述のように捉えて考え込むのは教師と受験参考書を読んだ一部の生徒だけです。(後で演習問題として解説を加えると、その演習問題の結果は上の直観的理解を単に理屈づけているだけであることが分かり、より教育的です。)
 もし、教師がより分かりやすくしようと思って、力を吊す重りの重力で、質量を台車部の質量としてこの実験を行えば、全くうまくゆきません。分かり易いどころか、かえって大きなずれのため、実験に不信感を持たせるだけです。

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