新口と善福寺

 
 新口は浄瑠璃「冥途の飛脚」(近松門左衛門原作)に出てくる忠兵衛の出身地で、善福寺(前身は青光寺)に忠兵衛の供養塔がある。

新口駅前には梅川と忠兵衛の「新口村雪の別れ」の段を描いた情あふれる絵碑が置かれている。 この駅前に忠兵衛の実家があった。

新口の善福寺の本堂前に忠兵衛の供養碑がある。



岡本精一氏の本より
 この寺に、太子についての次のような伝説が伝わっている。寺のご住職の話によると、太子が斑鳩から飛鳥へ通われる途中、のどが渇いたので、この地で休まれた。 水がなく、「観無量寿経」に述べられている「水想観」という観法を修せられると、甘露の水が湧いた。太子はこの水を飲まれて喜ばれ、「口中如新」といわれた。そのお言葉から新口の地名が生まれたということである。 また、この水を飲むと「善き福が来る」と太子がいわれたことから寺名を善福寺と名付けた・・
 このような説話が寺伝にあると住職さんは話して下さった。−−とある。