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はじめに私が関心のある、いくつかの分野について、それぞれの話題をこのホームページ上で公開して行こうと思います。 自分では大したことではないと思っていることでも、人には意外と新鮮に感じられる内容が含まれているかも知れない。公開とは社会的財産を増やす行為だと考えています。差し当たり、上のメニューに掲げた分野を中心に考えていますが、将来は他分野にも広げていくつもりです。 授業や校務のかたわら、物理実験にセンサーを使った測定を取り入れようと、そのための電子回路を自作したり、(具体的には、光ゲート、温度センサー、ポケコン用ADコンバータの製作、赤外線センサーの活用、直視分光器と1次元CCDセンサーの組み合わせによるポケコン用分光測定器、等)、また教育用のコンピューターソフト(例えば、時間割作成支援ソフト、ローカルネットワークにつながった複数台のPCを端末とした成績処理システム等)を数多く独自開発して来ました。 またそれ以外に、独自に開発した教材などを、このホームページで紹介しようと思い、上の文章を書いたわけです。 しかし、退職後、”真面目な教師であれば、独自の教材を作るのは当然であり、それを発表するだけでは、自己満足に終わってしまう。自由な時間を得た今は、もっと別のやるべきこと、やり残したことがあるのでは。”と自問して、新たな挑戦を始めることにした。 それは、以前から気になっていたことがあったからです。 私の住む奈良盆地の東南部、三輪山の麓には、古墳時代初期の巨大な前方後円墳がいくつも並んでいます。 それらは地図上で、一見すると、それぞれ無秩序な方向を向いているように見えます。しかしそれは、古墳を軸方向に見るからであり、軸に垂直な方向に辿ると、その延長線は別の古墳にぶつかるように思えたのです。 地図上では、その相関がどの程度なのか分からず、機会があれば正確に調べてみたいと思っていました。 また、家から半時間ほど歩いたところに、聖徳太子が飛鳥と斑鳩の間を往復されたと伝えられる、斜行道、いわゆる「筋違道」の痕跡が残っています。これと、別の場所にある痕跡らしきものとが、どう繋がっているのか、これも何時か調べたいと考えていました。 退職を機に、以前に使った経験があるハンディGPS測定器を購入して、手始めに、GPSの精度を確かめる目的も兼ねて、古墳の方位の調査を開始しました。 するとその結果、私自身も驚く、見事な相関があることが判明したのです。 これを、このホームページに最初に載せました。 これで自信を得た私は次に、最も知りたかった聖徳太子の「筋違道」を調べ始めたのですが、これもまた、予期せぬ発見の連続で、(当初はたぶんライフワークになるだろうと思っていたのですが、)あれよあれよと芋づる式に、ほぼその全容が明らかになって来ました。 GPSの威力に驚く次第です。 これらは「GPS考古学」と銘打ったセクションにまとめて載せています。 歴史家に著名な3つの初期巨大古墳間に見られる明瞭な相関関係は偶然の産物ではなく、当時の人々が後世へ残した、大和政権の成り立ちを証言する貴重なメッセージだと思います。 現代の我々はそのメッセージが何を意味するのか、真剣に読み解く責務を負っているのではないだろうか。 以下に私なりの試論を述べましたが、これは今も続く「邪馬台国論争」に一石を投じるものになるでしょう。 「物理教育」の分野では、下の解題に紹介するような、現在もその解釈において、誤解や混迷状態が続いていると考えています「慣性力」の話題を中心に、古典力学や電磁気学の基礎問題を取り上げています。 このセクションの内容の紹介と要約は「物理教育のページの解題」にありますので、ご一読下さい。 情報教育の分野では、幸運にも私はマイクロコンピュータの黎明期に、ワンボード・マイコンに出会い、そのハードとソフトの勉強を始めました。その後、様々な実践を重ね、今では貴重と思われる、それらの経験を元に、情報教育論を展開しています。 「情報教育序論」では、情報教育のあるべき姿や、私が行った授業実践内容を紹介しています。 「コンピュータの歴史」では、文中の語句をクリックすれば、私の経験したエピソードを読むことができます。 また、「BASICでオブジェクト指向を学ぶ」では、難解と思われているオブジェクト指向のしくみを、N88BASICの小プログラムを通して、学べるようになっています。 これらを精読いただいたら、きっと得るところがあるものと信じています。 情報教育に関心のある方は是非お読み下さい。 物理教育 「慣性力について考える」物理教育のページでは、力学や電磁気学の基礎に潜む問題に挑戦しています。解題では、その要約と、舌足らずのために曖昧であった論点と意図を明確にしました。 特に「慣性力についての5部作」では、今までの力学教育の常識をくつがえす内容を含んでいます。 ですから、一通り物理をすでに学んだ読者、および受験物理には、無縁な読者を想定しています。 「慣性力についての5部作」 ・通常の慣性力の説明 ・「慣性力は見かけの力ではない。」 ・慣性力についてのワトソンとホームズの対話(1)見かけの力とは、ダランベールの原理 ・慣性力についてのワトソンとホームズの対話(2)コリオリの力は見かけの力か。 ・NEW! 慣性力とエネルギー保存則((慣性力対話3) ( ’18.5.5 ) ・NEW! エネルギーの発見と筋肉による錯覚について ( 2019.3.13 ) ・物理』診断テストとD.Hestenesの「運動についての常識概念」 ・M.Planckの「理論電磁気学」を読む。(Planckの近接作用論) ・力はベクトルか?(応力テンソルとしての力−−近接作用入門) 更新 太子道・筋違道の研究(GPS考古学)○ 筋違道の謎を解く (’11.12.3) 聖徳太子が造られた大和盆地を貫く古代の大道(日本最古の官道)の全容がGPSで初めて明らかになりました。 大和には、聖徳太子が飛鳥から斑鳩に日々通われたと伝えられる、筋違道(すじかいみち)と呼ばれる古道が残っています。しかし、現存する部分はわずかで、残りは不明です。 しかも、未だ本格的に調査されていません。 それについての文献もありません。 ( ネット上の記事を調べられるなら、すべて筋違道の既知の小部分の観光案内的紹介にとどまっていることに気付くでしょう。) GPSを使って、その見事な直線性と全体像が初めて明らかになりました。 他の古代道と同じく、小さな川や丘を無視するように延びる直線大道であることが分かった。 その謎解きの過程は大変面白いものですので、各章の謎解きを楽しみながら読んでいただけると思います。 それに加えて、太子の「筋違道」建設の真の意図がどこにあったかも推測できるようになりました。 飛鳥からと、太子の育った磐余池のそばの上宮からの2本の道があり、新ノ口近くで交わります。 さらにその道は、田原本の多で、斑鳩へ直接向う向きから、少し向きを変えて、一直線に北北西に延び(これが三宅町を通るいわゆる「太子道」ですが)、その延長は斑鳩の宮へではなく、迎賓館のあった現・安堵町の”阿土の館(あどのむろつみ)”のすぐ近くまで延びています。 つまり、途中の田原本・多での道の屈曲は、この大道は当初、斑鳩へ向かう直線路として計画されたものであったが、建設途中で、斑鳩の宮への道と迎賓館への道との兼用路として設計変更されたことを示している。 このことから諸外国の賓客に日本国の威信を示そうとする、聖徳太子の「筋違道」建設の真の意図をうかがい知ることができる。 事実、日本書紀をよく読めば、推古18年には、この道幅30mの大道「筋違道」を、額田部比羅夫と膳大伴が先導して、新羅、任那の賓客を乗せた飾り馬の隊列が、現・安堵町阿土にあった館から、現・田原本町多、現・橿原市新ノ口を経て飛鳥の都まで行進したことが分かる。[第5章、第6章] ・・・・ この研究は、単に筋違道がどうつながっていたかを明らかにする、だけではなく。 歴史的な聖徳太子研究にも役立つでしょう。 Watsonの研究の成果です。是非お読み下さい。 ・ 序論 ・ 第1章 筋違道入門 ・ 若草伽藍の礎石の話 ・ 第2章 筋違道のなぞ ・ 第3章 GPSデータの数値的分析 ・ 第4章 安堵以北の謎を解明 ・ 第5章 太子はどこで大和川を渡られたか。 ・ 第6章 飛鳥への道の解明 ← ( '18. 4 更新 ) ・ 第7章 上宮への道の解明 New! (’14.12.16 ) ・ 数奇な運命の一本木と駒繋ぎの石 ・ 四国へ渡った駒繋ぎの石 New!「朱の王国」 (邪馬台国)と神武(崇神)の大和侵攻 ( 2017.5.23 )初期3古墳の方位相関から、どのようなことが言えるのか? 科学的計測から離れて、大胆な推論と 謎解きで、古代大和の歴史を新たな視点から捉え直す試論です。・ なぜ、辺鄙な大和の地に古代王権が成立したのか。 (第1章) ・ なぜ、「熊野大迂回」という嘘を主張しなければならなかったのか。? (第3章) ・ なぜ、神武は最初に宇陀を占拠したのか。 (第2章、第3章) ・ 神武(崇神)の大和攻撃の痕跡 (第4章、第6章) ・ 邪馬台国は神武(崇神)によって滅ぼされたのか?(第5章、第6章)) ・ 桜井茶臼山古墳は卑弥呼共立前の男王の墓か。(第5章) ・ 大和三輪山の祭祀は、なぜ、4世紀後半という遅い時期から始まったのか。(第3章) ・ 大和葛城に、4世紀後半から、天皇陵に匹敵するような規模をもつ豪族の巨大古墳が多数造られるようになったのは、なぜか。(第3章) ・ 神功皇后の所謂「三韓征伐」が行われたのは、なぜか。(第3章) ・ なぜ7世紀に多数の女帝が生まれることになったのか。 ・ 天照大御神の正体と天の岩戸神話の意味。 Watsonが満を持して書く 「大和誕生物語」です。 第1章 朱との出会い (2017.5.23 ) 第2章 神武伝説の地を訪ねる (’17.5.23) 第3章 神武伝説の謎を解く (’17.5.23) 別稿 住吉大社の埴使 第4章 神武の宇陀占領と天神山古墳、黒塚古墳(’17.5.23) 第5章 神武(崇神)と邪馬台国2女王の墓(’17.7.31) 第6章 武埴安彦の反乱(’17.8.6) 第7章 壱与と物部の謎 第8章 天照の復興と女帝 第1章 へ 新規UP 箸墓古墳と夏至の太陽 New更新!GPSを使った測定と、太陽の夏至の日の日周運動の天文学的計算から、箸墓古墳の中心軸は穴師山の日出の位置へ正確に向いていることが判明した。 計算の詳細と共に、穴師山大兵主神社と「ゲシノオオダイラ」についての考察もします。 その結果、箸墓の被葬者は「卑弥呼」である可能性がより高まった。 また、その被葬者は大ヒルメノムチ(=天照大神)と呼ぶにふさわしい人物ではないだろうか。 また、行燈山古墳と黒塚古墳、巻向山の関連も新たに分かった。 箸墓古墳と夏至の太陽(古墳の方位・続論)へ NEW ! (2019.3.13) 新規UP エネルギーの発見と筋肉による錯覚について我々は筋肉の錯覚のため、仕事やエネルギー概念が感覚的に把握できないでいる。 エネルギー概念を正しく身に着けるためには、どうしても、この錯覚を乗り越える必要がある。 NEW ! 新規UP 慣性力とエネルギー保存則(慣性力対話3) シリーズ「慣性力を考える」慣性力を付け加えると、エネルギー保存則が、シンプルかつスマートに理解できるようになる。 一味違った、「エネルギー保存則」をご賞味ください。 慣性力とエネルギー保存則 (’18.5.5 新規UP) 新規UP コリオリの力は見かけの力か?
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自己紹介Watsonとは大阪府生まれ 元高校教諭 専門 物理 ご感想等 |